安全研究の分野
技術基盤グループの4つの研究部門(システム安全、シビアアクシデント、放射線・廃棄物、地震・津波)では、17の分野の安全研究を実施しています。
安全研究プロジェクトや研究成果などについては、分野ごとに詳細をまとめておりますので、下記のリンク先からご覧ください。
システム安全研究部門における分野
原子炉内部の中性子の振る舞い、原子力発電所や核燃料サイクル施設の材料・機器・構造物の劣化や火災による安全性への影響など、原子力施設全般に関する安全研究を実施しています。
- 火災防護
原子力施設で発生する各種火災に対する、火災試験やその現象解析及び影響評価を行っています。 - 炉物理
原子炉内での中性子の挙動に関する特性(核特性)・炉心動特性・臨界に係る解析、解析手法の開発等を行っています。 - 核燃料
核燃料の安全性を評価・確認するために、国内の研究施設で試験等を実施するとともに、国際プロジェクトに参画し、共同研究を行っています。 - 材料・構造
原子力発電所の材料、機器・構造物の経年劣化評価手法や健全性評価手法等に関する研究を行っています。 - 特定原子力施設(システム安全研究部門及び放射線・廃棄物研究部門で分担して実施)
東京電力福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに伴う臨界管理、臨界超過時の線量等を実験及び解析を通じて評価しています。 - 加工施設・再処理施設
加工施設・再処理施設に係る安全性を試験・解析を通じて評価するとともにリスク情報を収集整理しています。 - 放射性物質の貯蔵・輸送
放射性物質の貯蔵・輸送に係る規制支援、規格基準の整備のため、関連する情報の収集及び研究を行っています。 - 新型炉
新型炉分野では、ナトリウム冷却高速炉の安全規制に必要な評価技術の研究とその他の非軽水型原子炉の動向調査を行っています。
シビアアクシデント研究部門における分野
原子力発電所で想定される重大事故の発生するパターンや頻度を確率論的に評価する手法(PRA)や、重大事故によって放出される放射性物質の挙動や特徴、放出された放射性物質が人・環境へ与える悪影響の程度等に関する安全研究を実施しています。
- レベル1PRA
原子力発電所のリスクである燃料が損傷する頻度等を評価する方法を研究しています。 - シビアアクシデント(レベル2PRAを含む)
軽水炉のシビアアクシデント時に想定される現象や対策の有効性等を把握するための研究を行っています。 - 熱流動
軽水炉の事故時(炉心損傷前)における冷却材、燃料等の状態を把握するため解析により評価しています。 - 原子力災害対策
原子力災害時の防護措置をより効果的なものとするための検討に必要な技術的知見を整備しています。
放射線・廃棄物研究部門における分野
放射線防護、原子力施設等の廃棄・廃止措置及び放射性廃棄物の処分に関する安全研究を実施しています。
- 放射性廃棄物埋設施設
放射性廃棄物のトレンチ処分、ピット処分、中深度処分及び地層処分についての長期的な性能評価に関連した技術的な調査・研究を行い、規制基準の適合性判断等に活用しています。 - 廃止措置・クリアランス
原子力施設等に関する廃止措置・クリアランス等に関連した技術的な調査・研究を行い、規制基準の適合性判断等に活用しています。 - 放射線防護
放射性同位元素等の規制及び緊急時における放射線防護措置の改善に資する調査研究を実施し、得られた知見を規制基準の策定等に活用しています。 - 特定原子力施設(システム安全研究部門及び放射線・廃棄物研究部門で分担して実施)
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業から発生する多様な放射性廃棄物に関する研究を行っています。
地震・津波研究部門における分野
人為的にコントロールできない外部事象(地震、津波等の自然災害)や、それらの影響を受ける建屋、機器等の原子力施設の構造健全性に関する安全研究を実施しています。
- 外部事象(ハザード関連)
原子力安全への影響が大きい地震や津波等の発生源の規模や頻度に関する研究を実施しています。 - 外部事象(フラジリティ関連)
地震や津波等の外部事象が原子力施設や設備へ与える影響評価手法の適用性確認等に関する研究を実施しています。