放射線安全規制研究戦略的推進事業について
背景
国際原子力機関(IAEA)の「日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション報告書」(平成28年4月)において、放射性同位元素等に係る規制の再構築、一層の資源配分を行う必要性が指摘されたことを踏まえ、放射線障害防止に係る規制及び放射線防護措置の改善に資する調査研究を体系的・効率的に推進するため、平成29年度に「放射線安全規制研究戦略的推進事業(Radiation Safety Research Program)」を開始しました。本事業は「放射線安全規制研究推進事業」と「放射線防護研究ネットワーク形成推進事業」の2つの事業から構成されます。放射線安全規制研究推進事業では、放射線源規制・放射線防護による安全確保のための根拠となる調査・研究を推進し、年度ごとに原子力規制委員会が示す重点テーマに基づいて、研究機関等からの提案を踏まえつつ、規制等の改善に資する知見を継続的に創出します。放射線防護研究ネットワーク形成推進事業では、規制活動及び研究活動の土台となる放射線防護研究関連機関によるネットワーク構築を支援します。
実施体制
- 「研究推進委員会」及び「研究評価委員会」を設置し、それぞれ「課題の選定・推進」及び「研究計画及び研究成果の評価」を担います。両委員会は外部専門家によって構成されます(兼務は認めていません)。原子力規制庁職員は研究推進委員会には委員として参画し、研究評価委員会にはオブザーバーとして参画します。
- 原子力規制委員会が毎年度設定する重点テーマに基づいた研究課題を公募します。研究推進委員会は、提案された課題について、1次審査(書面審査)及び2次審査(ヒアリング審査)を実施し、採択課題を決定します。
- 研究推進委員会委員の中からプログラムオフィサー(PO)を任命します。プログラムオフィサーは3課題程度の研究課題を担当し、担当する研究班への参加等を通じて進捗状況の確認、研究方針及び手法への助言をするとともに、研究評価委員会による研究課題評価の際には研究者の立場から的確な評価がなされるように寄与します。
- 毎年度末に「研究成果報告会」を開催します。研究代表者等が研究概要、当該年度の研究の進捗状況、成果及び次年度の研究計画について資料を用いて発表します。発表内容を踏まえ、研究評価委員会及び研究推進委員会の構成員が質疑し、研究代表者等が応答します。
- 研究評価委員会は、毎年度実施する自己評価及び研究成果報告会における研究代表者からの報告内容を踏まえて、年次評価及び中間評価を行います。また、事業の終了後に成果報告書を踏まえて、事後評価を行います。
- 上記の会議開催に係る事務等については原子力規制庁職員が行います。