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火山活動及び火山モニタリング評価に関する調査・研究(令和7年度~令和11年度)

研究概要

研究課題

新規制基準適合性審査では、立地評価において、運用期間中に設計対応が不可能な火山事象(注1)が発電所に影響を及ぼす可能性が十分小さいかどうかを判断し、火山の活動履歴や現在の火山の状態等の知見に基づいた火山活動可能性評価が行われています。また、設計対象不可能な火山事象が第四紀(注2)に敷地に到達した可能性のある施設を有する事業者は、評価時の状態からの変化を検知するための火山モニタリングを実施し、原子力規制庁ではその結果を評価しています。このような状況から、国内外の火山研究の最新動向や最新知見を収集するとともに、これまでに得られた研究成果を踏まえつつ、特にモニタリング評価に資する観測方法及び低頻度の自然現象である巨大噴火(注3)のプロセスに関する知見の拡充を図ることが重要です。さらに、同審査での影響評価において降下火砕物の建屋等への影響を確認しますが、降灰時の粒子の挙動等を実証した事例は多くないため、これらに係る知見を蓄積する必要があります。

  • 注1(設計対応が不可能な火山事象):原子力規制委員会では、原子力発電所の火山影響評価ガイドにおいて、直接的影響を受けた場合に設計対応が不可能な火山事象として火砕流や溶岩流などの5つの火山事象を示しています。
  • 注2(第四紀):地質時代の中で一番新しい時代で、約260万年前から現在まで続いています。
  • 注3(巨大噴火):一般的には噴出量が10km3以上の噴火と定義されています。原子力規制委員会においては地下のマグマが一気に地上に噴出し、大量の火砕流によって広域的な地域に重大かつ深刻な災害を引き起こすような噴火で、かつ噴火規模として噴出量が数十km3程度を超えるような噴火を指します。

研究項目

本プロジェクトでは、(1)火山活動可能性評価手法の整備に関する調査・研究、(2)火山モニタリング評価の知見蓄積に関する調査・研究、(3)気中降下火砕物濃度の推定方法の整備に資する知見蓄積のための調査を行い、火山活動評価、火山モニタリング評価及び降下火砕物の影響評価に係る技術的根拠となる分析データを取得し、審査等での判断に資する具体的な事例及び評価に資する知見を蓄積します。

研究内容

(1)噴出物の地球化学的データ(全岩化学組成(注4)、同位体組成(注5)等)を網羅的に整理し、図1に示すようにマグマの形成プロセスの多様性等に関する知見を蓄積します。

  • 注4(全岩化学組成):岩石は様々な鉱物やガラスの集合体であり、それらに含まれる元素(酸素、ケイ素、鉄、アルミニウムなど)の割合を調べて、岩石全体に含まれる化学成分の割合を示したものです。
  • 注5(同位体組成):岩石若しくは鉱物の中に含まれる、同じ元素でも重さが少し異なる原子(=同位体)の割合を示したものです。

図1 マグマ形成プロセスの多様性に関する検討方法のイメージ
図1 マグマ形成プロセスの多様性に関する検討方法のイメージ

(2)現在のカルデラ火山の地下の様子を精度よく捉えて、火山モニタリング評価ができるよう、図2に示すような反射法地震探査(注6)、海域での地殻変動観測(注7)等を実施し、地下のマグマの状況に関するデータ等を蓄積します。

  • 注6(反射法地震探査):人工的に起こした地震波が地下の層に当たって跳ね返ってくる時間を測ることで、地下の構造を調べる探査手法です。
  • 注7(地殻変動観測):人工衛星を使って地球上の位置を正確に測るシステム(GNSS)を用いて、少しずつ動いている地面の動きを観測するものです。

図2 地球物理学的手法による火山モニタリング評価手法のイメージ
図2 地球物理学的手法による火山モニタリング評価手法のイメージ

(3)リアルタイムでの降灰観測データを蓄積するとともに、気中降下火砕物濃度の推定に資する観測方法の適用性について検討します。さらに、粒子の挙動や凝集(注8)の効果による影響に資する知見を蓄積します。

注8(粒子の凝集):火山の噴火に伴って放出される火山灰粒子が地表へ降下する際に、細かい粒子が静電気力や大気中の水分によって粒子同士で結びつき、より大きな粒子として振る舞うことがあります。この凝集の効果は火山灰粒子が落下する速度にも変化を及ぼすため、実際の降灰現象における気中降下火砕物濃度の推定において考慮すべき重要な現象となります。

図3 降灰観測及び機器への影響に関する調査のイメージ
図3 降灰観測及び機器への影響に関する調査のイメージ

成果の活用先

これらの研究で得られた成果は、火山の評価ガイド等への知見の反映、原子力施設の火山に関する審査、火山モニタリング評価結果の検討において活用される予定です。

上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。

研究計画

準備中

評価

安全研究に係る事前評価結果【PDF:13MB】
(1、3、24~26ページ)

安全研究成果報告

プロジェクト終了後に掲載予定

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