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原子力規制検査のためのレベル1PRAに関する研究(令和4年度~令和8年度)

研究概要

研究課題

原子力発電所において発生した事故やトラブルが重大な事故に発展する可能性(リスク)を評価するために、確率論的な手法を用いたリスク評価(PRA)(※1)が国際的に行われており、原子力規制委員会では、PRAから得られる情報(リスク情報)を規制活動に積極的に利用しています。例えば、原子力規制庁が原子力発電所の検査において発見した事象のうちリスクの上昇が見込まれるものについては、そのリスクを計算して事象の重要度を評価し、原子力規制検査の優先度を変更する等の規制活動に活用することとしています。
PRAでは、図1に示すように、イベントツリー(※2)などを用いて、原子炉の炉心にある燃料が損傷する頻度などを計算します。イベントツリーの起点となる事故は、機器故障だけでなく、地震、津波等により発生する事故及びトラブルもありますので、これらの様々なリスクをどのように適切に計算するかが研究上重要な課題となっています。

※1(確率論的リスク評価(PRA)):事故やトラブルが発生する原因を分析し、これらが発生したときの影響を評価し、炉心が損傷する頻度などのリスクを体系的に評価すること。
※2(イベントツリー):事故の発生を起点とし、緩和系の成功と失敗から安定状態もしくは炉心損傷までのシナリオを樹形図に表したもの。

炉心損傷までの確率論的リスク評価のイメージ図の画像
図1 炉心損傷までの確率論的リスク評価のイメージ図

研究項目

本研究プロジェクトでは、国内外の最新知見を調査して、以下の確率論的リスク評価に関係する研究をします。

  1. (1) 確率論的リスク評価の技術基盤
  2. (2) 地震や火災などを原因とする確率論的リスク評価の方法
  3. (3) 原子力規制検査に確率論的リスク評価を導入するための研究

研究内容

本研究プロジェクトで実施している研究の一例です。

(1)確率論的リスク評価の技術基盤

原子力発電所の事故やトラブルが発生すると、自動的に炉心の燃料を守る設備が作動しますが、自動的に設備が作動しない場合、事故やトラブルの進展によっては、運転員の操作が必要になります。もし、運転員の操作が間違ったり、操作しなかったりすると、炉心をうまく守ることができない可能性もありますので、運転員が操作を失敗する確率はリスク評価上重要なものになります。この運転員が操作する失敗確率を算出する方法を研究しています。

(2)地震や火災などを原因とする確率論的リスク評価の方法

原子力発電所には多くの機器があります。その多くは、発電のために必要な機器であったり、炉心の燃料を守る機器であったりします。原子力発電所の近くで大きな地震が発生すると、機器が揺らされ、故障する可能性は高まります。機器が故障するだけでなく、原子力発電所内で火災が発生することもありますし、津波が押し寄せる可能性もあります。このようないろいろな状況における原子力発電所のリスクを評価する方法を研究しています。

(3)原子力規制検査に確率論的リスク評価(PRA)を導入する研究

原子力規制検査をより有効に実施するためには、リスクを考えた上で重要となる機器や活動を検査することが好ましいです。また、原子力規制検査では、検査で発見したことが、どれくらい重要かをリスクなどの情報で決め、次の検査のリソースを決めることをしています。(1)や(2)の研究の成果も踏まえ、リスク情報を原子力規制検査で使用するための方法を研究しています。

成果の活用先

本研究プロジェクトで得た成果は、主に原子力発電所の検査において重要な機器を選定することや、検査で発見したことの重要性を計算することに活用されます。

上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。

研究計画

令和5年度安全研究計画【PDF:15.4MB】
(50~56ページ)

安全研究成果報告

プロジェクト終了後に掲載予定

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