第一種廃棄物埋設施設の性能評価及び線量評価に関する研究(令和7年度~令和11年度)
研究概要
研究課題
地層処分において、特定放射性廃棄物(ガラス固化体及びTRU(Trans-uranium)廃棄物)は300m以深の地層に埋設されることとされています。将来的に万一放射性核種が漏出した場合リスクから人と環境を守るため、地層処分の安全確保に必要な技術的要件を第一種廃棄物埋設施設の規制基準として整備することが求められています。また、事業者による処分場の各構成部材の長期的な性能の変化についての評価の妥当性を確認すること及び処分システムの安全性の指標として行う被ばく線量の評価の妥当性を確認することが重要な研究課題となっています。
研究項目
本プロジェクトは、(1)性能評価(注1)に関する研究、(2)線量評価(注2)に関する研究を行います(図1)。これまで、廃棄物埋設施設の安全性は線量評価のみによって論じられる傾向にありましたが、本研究では性能評価を導入して構成部材性能の実力値を把握し、保守的パラメータの妥当性について評価を行います。
- 注1(性能評価):詳細設計に基づく個別要素技術の安全機能を踏まえ、個別要素ごとの性能の実力値を評価する方法
- 注2(線量評価):概念設計に基づく処分システムの保守的パラメータにより、廃棄物埋設施設全体のパフォーマンスを評価する方法
図1 性能評価と線量評価
研究内容
(1)性能評価に関する研究
処分システムの構成部材の長期的な性能を評価する観点で、天然バリアに係る隔離性能、地下水流動性能及び核種移行性能に関する研究を行います。核種移行性能については、岩盤における電気二重層、酸化的環境への変化、コロイドによる輸送といった核種移行を促進し得る要素に着目します(図2)。また、放射性物質の漏えいを防止するために人工的に構築されるバリア材(セメント系材料や粘土材料)の長期間にわたる性能評価の信頼性を高めるため、バリア材の初期性能を確認するための試験や長期的評価を実施するための解析手法を整理します。
図2 核種移行を促進する可能性のある要素の例
(2)線量評価に関する研究
地層処分は、異なる機能を有した複数のバリアシステムが各性能を発揮することで安全を確保する仕組みですが、バリアを構成するそれぞれの材料が必要とされる性能は異なります。そのため、本研究では構成部材ごとに設計の許容範囲や経年変化に着目した核種移行及び線量評価を通じて、性能の不確かさが線量へ与える影響について条件やパラメータの整理、シミュレーション解析を行います。
成果の活用先
これらの研究を通じて得られた成果は、地層処分の安全確保に係る許可基準規則、審査ガイド、審査における判断根拠、後続規制のガイド等に活用される予定です。
上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。
研究計画
準備中
評価
安全研究に係る事前評価結果【PDF:13MB】
(1、7、40~42ページ)
安全研究成果報告
プロジェクト終了後に掲載予定