放射性廃棄物の処分前管理及び施設の廃止措置に係る放射能濃度評価等の信頼性確保に関する研究(令和7年度~令和10年度)
研究概要
研究課題
原子力施設等における廃棄・廃止措置活動に関連して、効果的かつ効率的な安全規制が求められています。そのためには、クリアランス(注1)の確認のための対象物の放射能濃度、廃棄体(注2)等の安全性の確保すること及び廃止措置の終了確認を適切に行うことが求められています。こうした確認に必要な放射能の分析・計測に係る信頼性確保が重要な研究課題となっています。
- 注1(クリアランス):原子力施設の運転や廃止により発生した廃棄物のうち、放射能濃度が十分に低いものを放射性物質としての規制対象から除外し、通常の廃棄物として再利用又は処分することをクリアランスといいます。
- 注2(廃棄体):原子力施設から発生した放射性の廃棄物を埋設処分できるように分別・処理した後に容器に固型化又は容器に収納したものを廃棄体といいます。
研究項目
本プロジェクトでは、(1)クリアランスの確認、(2)廃棄体等の安全性確認、(3)廃止措置におけるエンドステートに関する調査の3つのテーマについて研究を行っています。また、本研究を通じて基盤的に必要とされる放射線計測や同位体分析に関する技術基盤の維持・構築についても共同研究を活用しながら進めています。
研究内容
(1)クリアランスの確認
組成・形状が複雑な物質に対してクリアランスの確認を行う場合、その物質の放射能濃度を不確かさとともに定量的に導出する方法について、放射線イメージング、放射線シミュレーション等の計測技術を活用して研究を行っています(図1)。また、得られた放射能濃度評価値の信頼性を確保するための技術、制度等について、関係する計測・校正に関する研究機関等と連携しながら調査・研究を行っています。
図1 缶状の容器にケーブルが収納された場合の内部構造をCT(Computed Tomography)技術により3次元的に可視化した例
(2)廃棄体等の安全性確認
測定によらず理論的な手法により廃棄物の放射能を評価する場合の課題について調査・研究を行っています。また、放射性廃棄物が容器に収納された状態でその放射能濃度が適切に評価されていることを確認するために、放射線計測に関係するシミュレーション技術を用いて研究を行っています(図2)。
図2 角形容器内に廃棄物がどのように収納されるかをシミュレーション計算で求めた例
(3)廃止措置におけるエンドステートに関する調査
原子力施設のエンドステートに関する海外事例を調査し、国際機関における議論に参加しつつ、最新動向を踏まえた研究を行っています。
成果の活用先
これらの研究を通じて得られた成果は、原子力施設等における廃棄・廃止措置活動が適切に行われることに関する審査・検査活動において活用されます。
上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。
研究計画
準備中
評価
安全研究に係る事前評価結果【PDF:13MB】
(1、7、42~44ページ)
安全研究成果報告
プロジェクト終了後に掲載予定