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実機材料等を活用した経年劣化評価・検証に係る研究(令和2年度~令和6年度)

研究概要

研究課題

長期間運転する原子力発電所が国内外で増加しており、発電所の機器や構造物等の健全性評価やこれに基づく経年劣化管理を適切に行っていくことの重要性が国際的にも認識されています。これまでの健全性評価では、主に、実験室レベルで実施された加速劣化試験等の結果に基づく劣化予測評価手法が用いられてきました。近年、廃炉となる原子力発電所が出てきていますが、このような機会を活用して実際の発電所で使用された機器等(以下「実機材料」という。)を入手して分析等を行い、これまでの評価手法が、実際の発電所における経年劣化挙動に対して適切な保守性を有しているか検証することが重要な研究課題となっています。

研究項目

本プロジェクトは、発電所の安全性低下を引き起こす可能性のある経年劣化挙動に着目し、国内で廃炉が決まった原子力発電所等から機器や材料を取得し、(1)電気・計装設備の健全性評価に係る研究、(2)原子炉圧力容器の健全性評価に係る研究、(3)炉内構造物の健全性評価に係る研究、(4)ステンレス鋼製機器の健全性評価に係る研究を行います。

研究内容

(1)では、実機材料(電気ペネトレーション(※1)等)を活用し、通常運転時の経年劣化を模擬する加速劣化手法の保守性を検証するとともに、実機材料を用いて事故時環境下における絶縁性能に関するデータを取得します(図1)。

※1(電気ペネトレーション):原子炉等の重要機器を格納している原子炉格納容器の内外のケーブルや電線を接続するための機器で、原子炉格納容器のバウンダリーの一部を構成する。

電気ペネトレーションの画像
図1 電気ペネトレーション

(2)では、原子炉圧力容器(低合金鋼)の監視試験片等を用いて現行の中性子照射脆化による劣化予測評価手法の保守性を検証するとともに、実機において作用する応力状態(2軸荷重)と現状の評価手法(1軸荷重)の破壊靭性(※2)試験結果を比較し、現行の評価手法の保守性を検証します(図2)。

※2(破壊靭性):金属材料において亀裂が進展する際に材料がどれくらい抵抗できるかを示す指標。

2軸荷重試験概要の画像
図2 2軸荷重試験概要

(3)では、実機材料(炉心シュラウド等)を用いて、ステンレス鋼の破壊靱性値を取得し、事業者が用いている劣化予測評価式の保守性を検証します。
(4)では、実機材料(原子炉冷却材再循環ポンプ)を用いて、実機環境におけるステンレス鋼鋳鋼の熱時効(※3)評価を実施し、加速試験により策定されている劣化予測評価手法の保守性を検証します。

※3(熱時効):オーステナイト相とフェライト相が共存する2相ステンレス鋼は、300℃以上の高温に長時間さらされた場合に材料劣化が進行して靭性が低下する現象。

成果の活用先

これらの研究で得られた成果は、事業者が行う高経年化対策の妥当性確認や運転期間延長認可申請の審査に関する技術知見として活用されます。また、事業者が行う評価で使用される民間規格の技術的妥当性を評価するための技術知見としても活用が期待されます。

上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。

研究計画

令和5年度安全研究計画【PDF:15.4MB】
(86~93ページ)

安全研究成果報告

プロジェクト終了後に掲載予定

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