福島第一原子力発電所燃料デブリの臨界評価手法の整備(平成26年度~令和6年度)
研究概要
研究課題
福島第一原子力発電所の廃炉作業においては、事故が起こった際に原子炉の内部にあった核燃料が溶けてさまざまな構造物と混じりながら冷えて固まった燃料デブリの取出しを安全かつ着実に進める必要があります。燃料デブリ取出しに伴う臨界管理では、燃料デブリが多様な性状を持つこと及び掘削等により燃料デブリの性状が変化することを考慮する必要があり、そのための実験的・解析的な評価が重要な研究課題となっています。
研究項目
本プロジェクトでは、事業者が行う燃料デブリの取出し作業時の臨界管理及び臨界超過時の線量評価の妥当性を評価するために、(1)臨界管理評価手法の整備として、臨界実験等を通じて多様な性状を持つ燃料デブリの臨界特性データを蓄積し、臨界安全評価に迅速に用いるための臨界マップデータベースを作成します。さらに、(2)臨界を超過した際の線量評価手法の整備として、燃料デブリ取出し作業時に燃料デブリの掘削等により臨界となるシナリオを検討するとともに、線量評価を実施します。
研究内容
(1)臨界管理評価手法の整備では、核特性解析で幅広く使用されている解析コードを用いて燃料デブリの燃焼度や炉内構造物の混合割合等をパラメータとした臨界特性を評価し、臨界マップデータベースを作成します(図1)。さらに、定常臨界実験装置(STACY)(図2)を用いて臨界実験データを取得し、臨界マップデータベースの妥当性確認を実施します。臨界実験については、過去に実施された福島第一原子力発電所の原子炉格納容器の内部調査で得られた知見や臨界実験体系解析等で得られた結果を踏まえて計画を策定します。(図3)。
図1 臨界マップデータベースの概念図
図2 STACYにおける臨界実験の概念図
図3 STACYにおける燃料棒不均一配置の実験解析例
(2)臨界を超過した際の線量評価手法の整備では、原子炉格納容器内での様々な燃料デブリ取出し作業工法を想定し、臨界超過となるシナリオについて検討を行うとともに、線量評価を実施します。
成果の活用先
本研究で得られた成果は、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し時の臨界管理の妥当性の確認等に係る審査の中で適宜活用されます。
上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。
評価
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安全研究に係る中間評価結果(1回目)【PDF:2.5MB】
(1~2、7~8ページ) -
安全研究に係る中間評価結果(2回目)【PDF:225KB】
(1~5ページ) -
安全研究に係る中間評価結果(3回目)【PDF:664KB】
(1~3ページ)
安全研究成果報告
プロジェクト終了後に掲載予定