次世代炉の事故解析に必要な基盤技術の構築に関する研究(令和7年度~令和10年度)
研究概要
研究課題
次世代炉のうちナトリウム冷却高速炉(以下「高速炉」という。)及び高温ガス炉の実証炉の国内の開発計画において、その開発事業を担う中核企業が選定され、設計検討が進められています。規制当局として、これら実証炉の安全性や新規技術を用いた安全対策の有効性を確認するため、事故解析手法を整備するとともに実証炉設計及び事故解析に関する技術的知見を蓄積しておくことが必要です。
研究項目
高速炉については、新規技術として検討されているタンク型炉設計等の安全性や高速炉特有の核分裂生成物の移行挙動等に着目した事故解析手法の開発・整備を行います。また、高温ガス炉については、炉型固有の安全上の課題を整理し、それを踏まえた事故解析手法の整備を行います。
研究内容
高速炉に関する研究では、これまで整備してきた高速炉総合シビアアクシデント解析コードISAACのループ型炉モデルをタンク型炉モデルへ改良し、事故時の燃料デブリの原子炉容器内保持に関する評価を行います。さらに、原子炉容器内保持に失敗した場合について高速炉の特徴を踏まえて核分裂生成物の移行挙動(図1)をモデル化し、環境への放出量を評価できる解析手法を開発・整備します。
図1 高速炉の事故時における核分裂生成物の移行シナリオ
また、高温ガス炉については、HTTR(注1)の審査論点の分析、国内外の開発・研究動向等の調査及び炉型固有の安全上の課題の整理を行い、これらを踏まえて高温ガス炉の事故解析コードを整備します。
注1(HTTR: High Temperature Engineering Test Reactor):高温工学試験研究炉(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)
成果の活用先
得られた知見は、高速炉及び高温ガス炉の実証炉に係る適合性審査において、事業者における安全評価や重大事故対策の妥当性判断に必要な技術的根拠として活用が見込まれます。また、高速炉及び高温ガス炉の規制・開発動向の把握を通じて評価手法等の技術情報をデータベース化し、今後の次世代炉の規制活動に活用できる技術基盤を構築します。
上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。
研究計画
準備中
評価
安全研究に係る事前評価結果【PDF:13MB】
(1、5~6、35~36ページ)
安全研究成果報告
プロジェクト終了後に掲載予定