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大規模噴火プロセス等の知見の蓄積に係る研究(令和元年度~令和5年度)

研究概要

研究課題

日本国内には、過去に大規模な噴火を起こした火山があり、これらの多くは現在まで1万年以上の休止期間を有しています。各原子炉施設の火山に関する審査においては火山の影響についてのガイドが参照され、また同ガイドでは事業者に対し、火山の状態変化に関するモニタリングを踏まえた対処方針を事前に定めておくよう、記載されています。一方、このような低頻度の自然現象である大規模噴火を起こした火山については研究例が少なく、原子力施設への火山影響評価について継続的改善を行うための知見の蓄積が求められています。

研究項目

本プロジェクトでは、過去に大規模噴火を起こした火山について、どのような準備過程、きっかけがあって、大規模噴火に至ったのか、そのプロセスについての知見や、大規模噴火とマグマ・火山活動に関するデータを蓄積するため、(1)地質学的手法による火山噴火準備及び進展過程に関する調査・研究、(2)岩石学的手法によるマグマプロセスに関する調査・研究、(3)地球物理及び地球化学的手法による観測手法に関する調査・研究を行い、過去の大規模噴火の長期的な活動を評価すると共に、火山観測項目の検討及び過去の長期的な活動と現在の火山観測項目との関係を検討します。

研究内容

(1)過去の火山活動に関する詳細な噴火履歴を調べるため、火山の噴出物の分布や堆積している順序を地質調査やボーリング調査から詳細に分析し、図1に示すように火山の噴火進展プロセス等の特性について知見を蓄積します。

洞爺カルデラ形成噴火の推移の画像
図1 洞爺カルデラ形成噴火の推移

(2)上記の知見を踏まえ、過去の大規模な噴火に至るまでのマグマの変化過程を解明するために、大規模噴火の噴出物を用いて岩石学的な調査により図2に示すようなマグマの蓄積深度や蓄積時間を分析し、マグマの時空間変化に関する知見を蓄積します。

マグマの時空間変化の調査事例の画像
図2 マグマの時空間変化の調査事例

(3)現在の火山の状態を調査するため、大規模噴火火山を対象として地球物理学的調査(地震の波の伝わり方の違いから地下の構造を推定する地震波トモグラフィ(図3)、地磁気と地電流を観測・分析して地下の構造を探査するMT法等)や降雨以外を起源とする深部の地下水(流体)等の地球化学的調査など、火山の地下構造の推定に有効な探査手法に関する知見を蓄積します。

姶良カルデラの地下構造調査事例(地震波トモグラフィ)の画像
図3 姶良カルデラの地下構造調査事例(地震波トモグラフィ)

成果の活用先

これらの研究で得られた成果は、火山の評価ガイド等の知見拡充に資する技術資料作成、原子力施設の火山に関する審査、火山モニタリング評価結果の検討において活用されることが期待できます。

上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。

研究計画

令和5年度安全研究計画【PDF:15.4MB】
(24~31ページ)

安全研究成果報告

プロジェクト終了後に掲載予定

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