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田中委員長記者会見冒頭発話(発足から2年にあたっての所感)

2014年9月17日
原子力規制委員会委員長 田中俊一

19日からは、委員のうち2名が交代し、原子力規制委員会の3年目に入りますので、この2年間を振り返り、一言申し上げます。

東京電力・福島原子力発電所の事故により、我が国の原子力規制行政に対する国民の信頼は失われました。平成24年9月19日の委員会発足からこれまで、5人の委員は事故への反省を常に心に置いて、職務にあたってまいりました。

この2年を振り返ってみますと、まず、科学的・技術的見地から、公正・中立にかつ独立して意思決定を行うこと、そして意思決定のプロセスを含め、規制に関わる情報の開示を徹底し、透明性を確保すること、という2つの基本姿勢を、委員と規制庁職員が一体となって示すことで、まだまだ長い道のりとはいえ、信頼回復にも一定の成果が出てきているのではないかと思います。その意味でも、原子力規制委員会の実像が徐々に作りあげられてきた2年間でした。今回、退任される島﨑委員、大島委員のお二方においても、大変なご苦労と努力があったことは云うまでもありません。改めて、感謝の気持ちを申しあげます。

先週、10日の委員会では、新規制基準への適合性を確認し、九州電力川内原子力発電所の設置変更許可を決定しました。基準を作る過程や、また審査をする過程を通して、多くのことを学ぶことができたと思っています。引き続き審査中の発電所については、これまでの経験を踏まえ、厳密かつより効率的な審査を進めるべく努力したいと思います。

また、東京電力・福島第一原子力発電所の廃止措置は、4号機燃料プールからの燃料取り出し作業など、順調に進んでいる工程がある一方で、まだまだ多くの困難とリスクに直面しています。今後、長期にわたる廃炉作業の安全をしっかりと監視し、安全に、かつできるだけ速やかに作業を進め、周辺住民の方が安心して生活できるようにするべく、原子力規制委員会として、最大の努力を傾注してまいる覚悟です。

その他にも、今年はIRRSやIPASSのミッションの受け入れなどを控えており、様々な角度から、原子力規制全体の強化を図っていかなければならない大事な時期に当たります。課題は山積しておりますが、引き続き規制委員会と規制庁が一丸となって取り組んで参りたいと思います。

19日からは、石渡委員、田中委員を新たなメンバーに迎えて、原子力規制委員会は新たなステージに入ります。ただ、科学的に判断すること、中立性、透明性を堅持することは変わりありません。引き続き、「原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守る」という使命に取り組んで参ります。

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