日本原子力学会 保健物理・環境科学部会 部会賞(論文賞)を受賞
令和7年10月24日

令和7年9月10日に日本原子力学会保健物理・環境科学部会の論文賞の贈呈式が行われ、技術基盤グループシビアアクシデント研究部門の和田山晃大技術研究調査官、小城烈副主任技術研究調査官及び新添多聞主任技術研究調査官が論文賞を受賞しました。
日本原子力学会保健物理・環境科学部会からは、本論文が原子力環境防災の重要な視点に対して堅実にアプローチしたもので、国際基準にも合致しており、今後の実用貢献において極めて価値が高いという理由から、論文賞を受けるに相応しいとの評価を受けました。
受賞者
技術基盤グループ
シビアアクシデント研究部門
技術研究調査官
和田山 晃大(わだやま こうだい)(写真中央)
副主任技術研究調査官
小城 烈(こじょう れつ)(写真左側)
主任技術研究調査官
新添 多聞(にいぞえ たもん)(写真右側)
受賞論文
The effect of using Filtered Containment Venting System on variation in dose with distance in the prompt accident consequence assessment
受賞論文の概要
- 東京電力福島第一原子力発電所事故後に新規設置されたフィルタベントを組み込んだ事故の迅速かつ簡便な影響評価手法を新たに構築した。特に、設備の動作状況に応じたエアロゾル状の核種とガス状の核種の被ばく寄与率を新たに指標とした分析により、事故シナリオの違いが被ばくと距離の関係に与える影響を定量的に示した。
- 米国において従来用いられてきた手法では、被ばくと距離の関係を表す“距離換算係数”が示されている。本論文では降雨の有無に応じて考察を展開し、フィルタベントの有無に応じて距離換算係数を新たに定式化した。また、従来手法は臓器線量のみを評価対象としていたが、構築した手法では、国際的に広く用いられている評価項目である実効線量での評価を可能とした。
- 本業績は原子力規制庁において、緊急時対応で実用化されている、“緊急時対応技術マニュアル”の技術基盤として大きく貢献しており、NRA技術報告 “「緊急時対応技術マニュアル」の解説 ―公衆被ばくの評価方法―”における議論の骨格となっている。
関連資料
- 論文
The effect of using Filtered Containment Venting System on variation in dose with distance in the prompt accident consequence assessment
Journal of Nuclear Science and Technology, Volume 61, Issue 9 Pages 1248-1264, 2024, https://doi.org/10.1080/00223131.2024.2313551 - 関連文書リンク先







