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事故時炉心冷却性に対する燃料破損影響評価研究(令和元年度~令和5年度)

研究概要

研究課題

発電用原子炉の安全性向上の観点から改良燃料が開発されており、原子力規制庁では、改良燃料が導入された際の規制判断に対応すべく、安全研究を実施してきました。その中で、改良燃料に対して実施した事故模擬試験において、現行の破損判断基準値より低い条件での破損や現行指針類(※1)では考慮されていない破損形態が観察されました。これらの燃料破損は事故時の原子炉冷却性等に影響を与えるため、破損原因を調査し、その影響の程度を確認する必要があります。また、新たに事故耐性燃料(ATF)(※2)の開発も進められており、将来の規制対応に向けた評価技術基盤の整備が必要です。

※1(指針類):原子炉施設に関する規制基準類の中で引用されている文書で、燃料の審査に用いられる判断基準が示されたもの。
※2(事故耐性燃料):事故が発生した際においても、炉心が溶融するようなシビアアクシデントに進展しない又は進展を遅らせることができる核燃料。

研究項目

本プロジェクトでは、(1)冷却材喪失事故(LOCA)(※3)時及びLOCA後長期冷却中に生じうる燃料破損、並びに、(2)反応度投入事故(RIA)(※4)時に生じうる燃料破損について、試験や解析を行い、破損が生じる条件や破損原因を調べます。また、(3)ATFの開発状況について調査を行います。

※3(冷却材喪失事故):原子炉の冷却材として使用される水が配管の破断等により失われる事故。
※4(反応度投入事故):原子炉の核分裂反応を制御する制御棒の異常な引き抜き等により原子炉の出力が異常に増加する事故。

研究内容

(1)では、使用済燃料を取り扱える試験施設(ホットセル)(図1)にLOCAを模擬できる試験装置(図2)を設置し試験を行います。得られたデータをもとに、LOCA時の燃料棒からの燃料ペレット放出挙動等を考察し、原子炉冷却性の影響評価に活用します。

ホットセル試験施設の画像
図1 ホットセル試験施設
https://tenkai.jaea.go.jp/facility/3-facility/04-facility/16-rfef.html

LOCA模擬試験装置の概要の画像
図2 LOCA模擬試験装置の概要

(2)では、試験炉NSRR(図3)を用いてRIAを模擬した試験を行い、試験後の詳細観察(図4)等により、破損の原因やメカニズムを調べます。(3)については、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)の燃料安全に関する国際会議等で情報収集を行います。

原子炉安全性研究炉(NSRR)の画像
図3 原子炉安全性研究炉(NSRR)

詳細観察例(被覆管断面金相)の画像
図4 詳細観察例(被覆管断面金相)

成果の活用先

本プロジェクトで得られた知見は、高燃焼度の改良燃料を含む炉心の事故時の安全性に関して規制判断を行う際の技術的根拠として活用するとともに、最新知見の規制への反映として、必要に応じて現行のLOCA及びRIA等に関する指針類の見直しの要否の検討に活用します。また、ATF関連の安全研究の立案にも活用します。

上記のより詳しい内容については、研究計画をご覧ください。

研究計画

令和5年度安全研究計画【PDF:15.4MB】
(81~85ページ)

安全研究成果報告

プロジェクト終了後に掲載予定

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