国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)フォローアップミッションの結果
平成30年12月7日
原子力規制委員会
平成30年12月7日、国際原子力機関(IAEA)の専門家チームによる2週間のIPPASフォローアップミッションが終了し、原子力規制委員会はミッションチームによる結論がとりまとめられた報告書案の提示を受けました。
IPPASフォローアップミッションの概要
IPPASフォローアップミッションには、原子力規制委員会(日本政府)が当該ミッションの受入れを平成29年1月に表明したことを受けて、米国のサンディア国立研究所のジョセフ・サンドバル氏をリーダーとし、海外の6か国及びIAEAから合計7名の専門家が派遣されました。
当該ミッションは、平成27年2月に実施されたIPPASミッションにおける勧告事項及び助言事項への対応状況について確認するほか、原子力発電所における核セキュリティの実施状況を確認することを目的とし、11月26日から約2週間の活動が行われました。
まず、原子力規制庁の職員等により我が国の核セキュリティに関する規制体系、核物質の物理的防護等について説明を行うとともに、勧告事項及び助言事項への対応状況について説明を行いました。
その後、ミッションチームは、11月29日に東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所を訪問しました。
IPPASフォローアップミッションレビューの結果
ミッションチームからは、「前回のミッション以降、日本の核セキュリティ体制には顕著な改善がみられる。その体制は、強固で十分に確立されており、改正核物質防護条約の基本原則に従ったものである。」との見解が示されました。
また、ミッションチームから、日本の核セキュリティを強化し持続性あるものにするための勧告や助言が示されるとともに、他のIAEAメンバー国の核セキュリティ強化の参考として、幾つかの日本の核セキュリティ措置が良好事例として挙げられました。
IAEAのラジャ・アドナン核セキュリティ部長は、「日本は、このIPPASフォローアップミッションの受入れを通して核セキュリティの強化について継続的にコミットする強い意思を示した。」と評価しました。
原子力規制委員会の更田委員長は、「原子力規制委員会としては、今回のIPPASフォローアップミッションの評価結果を踏まえ、関係省庁、関係機関と連携しつつ、引き続き核セキュリティ対策の向上に取り組んでいく。また、IAEAとの密接な協力の下、国際社会に貢献していきたいと思う。」旨述べました。
今後の対応
原子力規制委員会は、今後最終的に示される正式報告書の勧告事項や助言事項について、必要に応じ関係省庁と協議しつつ精査・検討を行い、既存の取組の継続的な改善の一環として適切な措置を講じます。
参考
- IPPASミッションは、国の核セキュリティ体制の強化のために当該国を支援するサービスであり、核物質及びその他の放射性物質と関連施設の防護に関する国際条約、IAEAのガイダンスの実施に関して助言を行うものです。
- 我が国は、2015年2月にIPPASミッションを受け入れました。ミッションでは、「国の核セキュリティ体制」、「原子力施設における核セキュリティの実施状況」及び「コンピュータセキュリティの実施」の3つのモジュール(項目)をレビューし、その際、「日本の核セキュリティ体制、原子力施設及び核物質の防護措置の実施状況は、全体として、強固で持続可能なものであり、また近年顕著に向上している」との見解が示されました。また、日本の核セキュリティ体制及び訪問した施設について、良好事例とともに継続的な改善のための勧告事項及び助言事項が示されました。
お問い合わせ先
長官官房放射線防護グループ 核セキュリティ部門
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