査察とは
- 国及びIAEAの査察官は、実際に原子力施設に立ち入り、以下の査察活動を実施しています。
- 施設に保管されている記録と、国に報告された計量管理報告の内容に矛盾がないかを確認します。
- 記録どおりに核物質が存在することを、刻印番号、核物質からの放射線の測定、採取した試料の化学分析により確認します。
- 封じ込め/監視の結果の確認と必要な装置の保守をします。
査察の具体的方法
1)帳簿検査
原子力施設において実施されている計量管理の記録を、国とIAEAに報告された内容と照らし合わせ、その整合性を確認します。
2)員数勘定
計量管理記録に記載されている数が正しいかどうか確認するため施設にある燃料棒や燃料集合体などの数を勘定します。また、刻印なども同一かどうか確認します。
3)現場での非破壊測定(非破壊分析)
一見正常に見える燃料棒などの中から核物質だけが抜き取られているかもしれません。こうしたことを発見するため非破壊測定では、例えばたくさんの燃料棒から査察官が数本(統計的手法で定められた数)を無作為に抜き出し、放射線を測定し、内部に核物質が存在しているかどうかを確かめます。
4)分析サンプルの採取と化学分析
現場にある核物質の成分が記録通りであるか確認するため、サンプルを少量取ります。この試料を国とIAEAの保障措置分析所へ移送し化学分析を行います。
5)封じ込め及び監視の評価と適用
査察の時に以前の査察時に取り付けてあった封印は取り替えられます。取り外した封印は持ち帰り検査を行います。 原子力施設内には、核物質の不正な転用につながる核物質の移動や取り出しが無かったかを監視するカメラが設置されており、査察官は数ヵ月に1度、録画されたメモリーカードを持ち帰り、画像をチェックします。 さらに、カメラなど監視用機材にも封印を取り付けます。 査察時、査察官は、一時的にその場を離れる時も、核物質の入った容器の蓋等に封印を施します。